D/A変換(デジタル-アナログ変換)計算ツール
DACの出力電圧・分解能・LSB・量子化誤差を瞬時に計算。ビット数・基準電圧・デジタル値を入力するだけで結果が得られます。
よく使われるDACの設定例をクリックするだけで自動入力されます。
DOR(デジタル出力レジスタ値)、Vref(基準電圧)、N(ビット数)を入力してください。
LSB(最下位ビット電圧)と1ステップあたりの最小電圧増分を計算します。
D/A変換における量子化誤差(最大・RMS)を計算します。
出力したい電圧からデジタル入力値(DOR)を逆算します。
まだ変換履歴がありません。
クリックするとメインツールに自動入力されます。
| ビット数 (N) | 最大値 (2N−1) | LSB (mV) | 分解能 (%) | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| 4 bit | 15 | 312.5 mV | 6.25% | 簡易制御 |
| 6 bit | 63 | 78.1 mV | 1.56% | LED輝度調整 |
| 8 bit | 255 | 19.6 mV | 0.39% | 一般制御・音声 |
| 10 bit | 1023 | 4.89 mV | 0.098% | Arduino・マイコン |
| 12 bit | 4095 | 1.22 mV | 0.024% | 産業・医療機器 |
| 14 bit | 16383 | 0.305 mV | 0.006% | 高精度計測 |
| 16 bit | 65535 | 0.076 mV | 0.0015% | CDオーディオ |
| 18 bit | 262143 | 0.019 mV | 0.00038% | Hi-Fiオーディオ |
| 20 bit | 1048575 | 4.77 µV | 0.000095% | 精密測定 |
| 24 bit | 16777215 | 0.298 µV | 0.0000060% | ハイレゾ・科学計測 |
※ LSB = Vref ÷ 2N。Vref = 5V の場合の計算値です。
| 方式 | サンプリングレート | 分解能 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| 抵抗ラダー型(R-2R) | DC〜10 MHz | 6〜12 bit | 回路が単純、低消費電力 | 簡易制御、マイコン出力 |
| 抵抗ストリング型 | DC〜1 MHz | 6〜12 bit | 単調性保証、低グリッチ | 音量調整、ゲイン制御 |
| 電流出力型 | DC〜1 GHz | 8〜14 bit | 高速変換、高帯域幅 | 通信、映像処理 |
| 容量アレイ型 | DC〜10 MHz | 8〜14 bit | CMOS製造に適合 | 組み込みマイコン内蔵 |
| ΔΣ型(デルタシグマ) | 100 kHz〜10 MHz | 18〜24 bit | 高分解能、ノイズシェーピング | オーディオ、精密計測 |
| PWM型 | 〜数 kHz | 8〜16 bit | デジタル回路で実現可能 | モーター制御、LED調光 |
D/A変換とは、コンピュータが処理する離散的なデジタル値を、連続的なアナログ電圧(または電流)に変換するプロセスです。
- デジタル入力値(DOR)を決定する:マイコンやDSPから出力されるNビットのバイナリデータ(0〜2N−1の整数)を用意します。
- LSBを計算する:LSB = Vref ÷ 2N。これが1カウントあたりの最小電圧ステップです。
- 出力電圧を求める:Vout = Vref × DOR ÷ 2N。これがDAC出力端子に現れるアナログ電圧です。
- スムージング(低域通過フィルタ)を適用する:DACの出力はステップ状の波形のため、低域通過フィルタ(LPF)を通して滑らかなアナログ信号を得ます。
- オフセットとゲインを確認する:実際の回路では出力オフセット誤差やゲイン誤差が生じるため、キャリブレーションが必要な場合があります。
計算例: 12ビットDACで、基準電圧5V・デジタル入力値2048の場合
電圧 → 電流変換
DAC出力電圧にI = V / Rの法則を適用し、任意の電流を生成できます(電流出力型DACも同様)。
SNR(信号対雑音比)
理想的なNビットDACのSNR ≈ 6.02N + 1.76 dB。16bitでは約98 dBになります。
サンプリング周波数
ナイキストの定理により、サンプリング周波数は再現したいアナログ信号の最大周波数の2倍以上が必要です。
PWMとの比較
PWM(パルス幅変調)はデジタル出力でアナログ量を擬似的に生成する方法で、DACが不要ですが帯域幅が低いです。
全高調波歪み(THD)
DACの非線形性により高調波が発生します。高品質なオーディオDACではTHD+N < −100 dBが求められます。
A/D変換との関係
ADCとDACはペアで使われます。ADCでデジタル化→処理→DACでアナログ出力というサイクルがほとんどのシステムの基本です。
関連する主な単位・物理量:
- 電圧(V / mV / µV)
- 電流(A / mA / µA)
- 周波数(Hz / kHz / MHz)
- ビット数(bit)
- SNR(dB)
- THD(%)
- LSB(mV / µV)
- サンプリングレート(SPS / ksps)
D/A変換技術の理論的背景や応用については、以下の資料が参考になります。
- Analog Devices, Inc.「D/Aコンバータの基本的なキャリブレーション方法」Analog Dialogue. (analog.com)
- ROHM Co., Ltd.「A/Dコンバータとは? 基本動作と原理解説」ROHM TechWeb. (rohm.com)
- EDN Japan「D-Aコンバーター:これだけは知っておきたいアナログ用語」EDN Japan, 2012.
- Monolithic Power Systems「ADCのタイプ – デルタシグマ・SAR・フラッシュ型の比較」MPScholar. (monolithicpower.com)
- 群馬大学 小林研究室「ΔΣ AD/DA変換器入門」講義資料, 2022.
- アイアール技術者教育研究所「D-A変換回路とA-D変換回路」Engineer Education, 2024.
